こんにちは!てりーです!
今日は前回取り上げた本から興味深い質問があったので、そちらに関して。
お題にもしてみたので、どなたかの記事を読めるのも楽しみにしています。
お題「「人生で深く満たされた経験」について語ってほしいんです」
ぜひ本タイトルについて、画面越しのあなたも時間を取って考えてみてほしいです。
もしかしたらあなたの「濃い欲望」を見つめるチャンスになるかもしれません。
*なお本記事では「日本人」や「中国人」といった表現が出てきます。これは「その国生まれ、その国育ち」の方を簡単に表現するために使用しています。なにか差別を含むものではないとここで注解しておきます。
この質問が載っている本に関して
この質問は上記の『欲望の見つけ方』から抜粋しています。
本質問を考え、答える意図としては他人と対話をする呼び水、そして対話を通じてご自分の本当の欲望(本書では「濃い欲望」と表現されています)を見つめ直すきっかけです。
本書では欲望に関して、誰かから影響を受けて深く考える前に欲しいと思うことを「薄い欲望」、自分を見つめて過去・現在・未来から本当に自分に必要、ほしいと思うことを「濃い欲望」と区別しています。
「薄い欲望」は身近な他者との競争から、「濃い欲望」は身近な他者と協力したり理解したりするプロセスを経て形成される、とありました。
そしてその「濃い欲望」を見つけるプロセスとして欠かせないのが、他人に共感し合うこと。協力し合うこと。
その一助となるのが、お題としてあげた「人生で最も満たされた経験は何ですか?」という質問である、と記載がありました。
管理人のてりーは自他ともに認める(??)素直ですから、実践してみようと思いまして。
といってもパッと出てこないんですよね。日記やアルバムを読み返して、深く満たされたと感じたか、振り返ってみました。
私の「人生で最も満たされた経験は何か」への回答
なんだろな~~と日記や写真を見返してふと出てくる回答は、私の場合、残念ながら苦しかった時間が長いものばかりでした。笑うしかない。
でもその苦しい過去や後悔の間に、もしくはその先に満たされた経験があるなあと。ご褒美みたい。
出典の質問文は「最も」とありますが、「深く満たされた」「満たされたと印象的だった」と言い換えたとき、私の回答は下記4つが思い当たりました。
まったく違う境遇の人と深い話をして「ああ、そんな考え方もあるんだな」「その選択肢も良いな」と視野が広がったこと
これは主に学生時代の留学や、大学生以降で海外旅行に行った時のことです。
違う言語や文化、信じているものも多様な方々とお話していたときに感じることが何度かありました。
それは違う大陸で気候も宗教も衣食住も全く異なる宿主だったり、長年日本が影響を受けている中国生まれで中国育ちの友人だったり。たまたま空港で近くに座っていた旅行客の方だったり。
学生時代の私は日本の同調圧力が苦手で、海外で働きたい、たくさん旅行に行きたいと思っていました。
ですがチュニジアのトズールに行ったとき、宿主にその話をしたら、宿主は「私はずっとトズールにいたい。国を出たい、旅行に行きたいとも思わない。この場所で宿主をして、観光客に映画のロケ地を観光案内して人生を終えたい」と言われたのはなにか印象的でした。
海外旅行に行くたび、転職や引っ越しを考えるたびに彼の回答が頭をよぎります。
またあるときは自分との対話で、相手の心の琴線に触れる瞬間に立ち会いました。
日本の空港でたまたま手助けした訪日観光客のオーストラリアの方と雑談をしていたとき、日本人の見送りに関して質問されました。
彼は来日して日本人含め訪日観光客ともたくさんおしゃべりをして帰国するところでした。
旅行中に仲良くなった日本人が彼をバス停まで送り、バスが発車して見えなくなるまで手を振り見送ってくれたことに疑問をいだいていました。
「仲良くなった日本人が、自分が乗ったバスが見えなくなるまで手を降って見送りしてくれた。これはどうして?僕は一人で旅するには不安に見えたのかな?」
「その人の本心はわからないけど、あなたと仲良くなれて嬉しかった、お話できて楽しかったから、最後まで見送りたかったのだと思うよ」
と回答したら、感動し、笑顔でるんるんしていました。
それから彼は日本がさらに好きになり、現在日本で転職し、生活しているみたいです。
他の人を大切にしたり尊重できる自分になったと気づいたとき
わかりやすい具体的なエピソードがあるわけではないので、抽象的で説明が難しい話です。
これは愛情や他者尊重のリレーのバトンを繋ぐことができるようになった、と自分を客観的に見られるようになってから自覚しました。
親や親以外の他人から自覚している以上に大切にされ、尊重されています。友達、恋人、パートナー、同僚、近所の方々などなど。
私はこれまで多様なブラック企業で働いてきた経歴を持ちますが、どの職場でも直属の上司と何でも相談できる先輩や教育係には恵まれてきました。
特に今の職場は限りなく黒に近い法律をギリギリ遵守していないドブ色したブラック企業ですが、教育係はSSR級の人格者でお仕事もできる方です。きっと大手企業にも数えるほどしかいない素晴らしい方です。
その方から忍耐強く業務内容、一人間として商業倫理を守りながら商売をすること、交渉や人間関係の維持のコツなどを教えていただきました。業務以外でも私生活を夫婦お2人で気にかけて気遣いも頂戴しました。
何年か経って後輩が入社したとき。教育係から教えてもらったことを余すことなく伝え、一人前に育てようと自然に振る舞っていました。
また教育係から気にかけてもらった、尊重してもらったやり方で後輩と接していることに、同僚から指摘されて気づきました。
人から受け取ったものを独占するのではなく、他人に繋いでいくことができるようになった。
そういう意味で大人になったのだと気づくことができたときの満足感は、なにか努力して習得した達成感とはまた違う満足感があります。
親もひとりの人間で苦労したこと、奮闘していたこと、親なりに合いそうと努力してくれていたことを知ったこと
両親や祖父母の昔の話、特に自分を育てるにあたりどんな苦労をしたか、あのとき親はどう思っていたのか。
高校を卒業したり一人暮らしを始めたり、就職をして自分でお金を稼ぐようになったりしてから尋ねると、案外答えてくれます。
※途中で茶化したりけなしたりすると二度と答えてくれなくなるから、最後まで話を遮らないんですよ。
親側の苦労や親はどんな気持ちでその行動を選択したのか。
親も一人の人間で悩みながら、親なりに自分に向き合おうとしていたことを知ると感慨深くなります。
自覚していた以上に、愛されていたことに気が付きます。
またそれぞれの親に相方への思いや馴れ初めを聞いてみるのも、家族観の再構築と両親への思いを更に深めることになります。
ただこの内容に関しては、繊細な注意点があります。
ひとつ目はご自分の親が毒親の疑いがあるとしんどいこと、ふたつ目は親が亡くなってしまうと尋ねようがないことです。
特にふたつ目は、当事者のお話を聞けないという点で大変残念で、想定以上に取り返しのつかないことです。
もしご両親、祖父母の方が健在で関係性も悪くないなら、一度思いきって尋ねてみると満たされた気持ちを味わえると思います。
できない、苦手だと思っていたことを大人になってから少しずつ取り組んで「楽しい」に変えられたとき
これまでは他者との関わりの中で満たされた経験でしたが、これは一人でもできる内容ですね。
昔から私は体育が苦手で、運動部からも逃げてきました。
ですが大人になって、お散歩からはじめ家での筋トレ、ハイキングや登山、それに伴う体力つくりとしてジョギングやプールに通うなどいろいろ試してみました。
半年前は歩くスピードと同じくらいの速度で20mも走れない体力・筋力・持久力でしたが、週2でジョギングを始めたところ、サラリーマンの自転車を追い抜くスピードで100mは続けて走れるようになりました。(例えがビミョー)
さらには休憩をはさみつつ500m以上走れるところまで伸びました。
なんなら走るって、体を動かすって楽しいという感情まで湧いてきました。(私にとっては快挙オブ快挙でした)
まだまだ走れる距離とスピードを伸ばしていくつもりです。
まだまだ途中でも、過去の自分と比べるとだいぶ良い方に変化したな、遠いところまで来たなと思います。
誰かと比べるでもなく、過去の自分と比較する。一週間前できなかったことが今日、ほんの少しできるようになる。
これは大人になっても、成長や良い変化を感じられてとても良いです。
新しい世界が広がるのと同時に、新しい自分の一面も見つかります。
苦手と思っていたけどじつは楽しくて夢中になった、昔はできなかったけど大人になってできるようになった、仕事にも良い影響が合った、など。
ぜひ興味があるけど苦手意識があるものを、ほんの少しでいいからこっそり始めてみてください。案外楽しいですよ。
今年は車を運転できるようになりたいと思っています。
苦手で逃げ続けてきましたが、ペーパードライバー練習に行ってみると案外楽しいこと、壊滅的にヘタというわけではないことがわかり楽しんでいます。
「満たされた経験」の共通要素を抽出してみる
…と、書いていくうちに色んなエピソードが出てきて、自分を関わってくれる周囲の方々に感謝の気持が湧いてきました。
いつも受け取っている愛情と尊重の気持ちを込めて感謝をお返ししたいな~。
私の場合、「人生で深く満たされた経験」は、
・他者との関わりの中で見つけるもの
・自分と向き合い、過去より少しでも良くなること
のふたつの要素が大きく影響しているのだなと認識できました。これは実り多い省察でした。
社会的成功や金銭的報酬に直接結びついているわけではないけど、どれも自分の人生を豊かにしてくれているものばかりです。
むしろ目標にしていた年収を達成しても、満足感はその時だけで。「もっともっと」を自分の首を絞めて苦しくなっているような気がします。
現時点までの私にとって、社会的成功や経済的報酬は「人生を深く満たす経験」にカウントされないのですね。
あなたの「人生で深く満たされた経験」は何ですか?ぜひ、振り返って、誰かに伝えてみてください。
何か良い影響があなたになることを願って。
ではまた別の記事でお会いしましょう!てりーでした!